おんころ Café

私にとっておんころカフェ

①自己紹介

こんにちは。Aと申します。
京都に住んでいます。どうぞよろしくお願いします。

去年6月に乳がんと告知され、7月に左右同時に全摘しました。他の複数の臓器にも原発のがんが見つかって、手術したり経過観察したりしています。

今年の夏に乳がんの再発転移が見つかり、去年から休職していた仕事を辞めました。
その後、病気の進行が止まっているとの判断で、今は治療をお休みしています。

②きっかけ

私がおんころカフェを知ったのは、相次いで手術を受けた後、心身ともに落ち込んでいた時期でした。なんとか立て直したいと思ってネットであれこれ検索していて偶然見つけました。情報量が少なくて哲学対話が何なのか全くわからないながら、なぜか心惹かれるものがあり参加することにしました。

当時私は、周りの人たちの支えに応えるためにも前向きな患者にならなければいけないと思う一方で、「誰にも分かってもらえない」と孤立感を深めて希望を持てずにいました。同じ病気の人と話しても闘病ブログを読んでも違和感を覚えるし、テレビなどで前向きながんサバイバーの人が紹介されていると追い詰められるような気持ちになりました。

今思うととても大げさなのですが、自分が何もできなくなって生きている意味がないと思っていました。元気な友達とはもう分かり合えないとも感じていました。病気を治したいと思うより、病気が発覚する前に時間を戻してほしいと願ってばかりでした。

③参加してみて

おんころカフェに参加して先ず嬉しかったのは、ここでは好きなだけ考えてもいいということでした。もともと内省的で何事にも意味を求めたいタイプなのですが、病気になって以降、私をよく知ってくれている人たちからは考えすぎないよう注意されました。私が自分を責める方向に考えがちだからです。でも療養中はどうしてもいろんなことを考えてしまって、あー考えたらダメだ、気楽にいなければと、それはそれでまた自分を責めることになり、結局辛くなっていました。それが、おんころカフェでは気の済むまで考えてもいいとなって、縛りがひとつ解かれたように楽になりました。

その頃はひとりで思い悩んで同じ所を巡っているような感じだったのですが、おんころカフェに初めて参加した後、ぐるぐる巡っていたその軌道が少しだけズレたような感覚がありました。あ、少し動いた!堂々巡りから逃れられたかもしれないと思いました。息苦しさの中で、周りの酸素が増えたような、少し息がしやすくなったような感じでした。帰り途で次回もぜひ参加したいと思いました。

④私にとってのおんころカフェ

私にとっておんころカフェは、その時の率直な心情を口にすることができる場所です。身近な相手には、心配させたくない悲しませたくないと思って、本心より「お利口」気味なことを言ってしまうこともあるのですが、おんころカフェでは忖度なく、例えば投げやりなこと、後ろ向きなことも発言できるのが大きいです。

自分の心の内にひたすら集中して、そこにある想いを言葉で表わそうとする。それを実際口にして人に聴いてもらう。自分の口から出てくる言葉が意外で、思わぬ本心に気づくこともあります。

討論ではない、答えを出さないというところも気に入っています。誰かが正してくれたり教えてくれたりではなく、各自が自分の答えを探す、その過程をお互いが見守っているような場所だと感じています。

私は、自分で気づくこと、自分で言葉にすることを積み重ねていくうちに、少しずつ自分を取り戻せた気がします。じっとうずくまって動けなかったところから歩きだすきっかけをもらいました。

心を閉ざしていた頃は、私ひとりがこちらの岸にいて、向こう岸からみんなが手を繋いで「がんばってー」と声援を送ってくれているかのように感じていました。ありがたいけれどものすごく寂しい、正に孤立感です。でも、少しずつ考えが動いてきて、隔てている水を渡るための船があるかもしれない、どこかに橋が掛かっているかもしれないと思えるようになりました。今では隔たりを感じているのは私だけかもと思ったりもします。自分以外の「みんな」をひとかたまりに捉えなくなったんだと思います。

⑤終わりに

先ほども言いましたが、私が動き出せたのはおんころカフェのお蔭です。他の支援グループやカウンセリングとはひと味違うおんころカフェがあって本当に救われました。
ただ他のグループとどこが違うかを説明するのはなかなか難しいです。

ひとつだけ挙げたいのは、おんころカフェでは当事者、家族、医療関係者といろいろな立場の人が、病気以外の普遍的なテーマで対話するということで、病気の人も病気じゃない人も対等だと感じます。たとえ病気が話題になっても対等です。一方的に支援されるのでもなく、当事者同士のピアサポートでもなく、病気に関わらず同じ土俵での対話というのが、私にとっては心地よいのかなぁと思います。当初、私が友達との間に感じてしまった隔たりや障壁を消してくれることにも繋がりました。

私が心地よく感じられるのは、もちろん運営面で安心して参加できる環境を整えていただいているからです。だからこそ貴重な場だと思います。

私はこちらに参加するようになって、病気以外の自分も変わらずにあるということや、病気に限らずいろんな悩みや苦しみがあるのは誰しも同じだということ、そういう当たり前のことを思い出すことができました。
私は少数派かもしれませんが、もし私と似たタイプの人が精神的に苦しんでいるとしたら、ぜひおんころカフェを紹介したいと思います。実際に誰かを直接お誘いしたりはできませんが…

中岡先生や佐野さんに何か貰って言わされている訳ではないのですが(笑)おんころカフェに出会えたこと、本当に感謝しています。どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

A.