小さな希望
「娘より1日でも長く生きる」
重度障害を持つ娘との日々を、このとてつもなく残酷で、まず叶いそうにはない望みを 捨てずに過ごしている。
自分の命に換えてでも......と心底願ったことがあるし、 この先いつか、娘があまりに辛そうならその時は一緒に......と頭をよぎったこともある。
もはや自分の死さえ恐怖を超えて、ある種の希望につながる一瞬があることを知った。 「死」の存在は、永遠に続く痛みや苦しみはないし、絶望にも約束された終わりがあることを教 えてくれた。
でもこれは、あくまでも、「私と娘の日常」の中で起こるほんのわずかな瞬間で、 結局は、「一般的な長い現実」に戻って、それなりに生きていくことになる。
「いつかママと呼んでくれる日が来ますように」
もしかして叶うかもしれない望みを一つ、また一つと願い続ける。
絶望から小さな希望を探す。
そうやって生きてゆくしかない。
これまでもそうだったように、 これからもずっと「私達の日常」をそんな風に続けていくつもりでいる。
あかねより